写真館・プロも続々導入しているX-H1について富士フイルムに聞いてみました
写真館様に飛躍的に導入が増えているX-H1について、
前回に引き続き
富士フイルムイメージングシステムズのプロマーケティングチーム
高麗(こま)氏にお話を伺いました。
高麗さんは以前九州PGCの取りまとめをしておられ、当ブログをご覧の方々も
高麗さんのことをご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
参考:写真館がX-T2・GFXに惚れ込む理由は?富士フイルム様に聞いてみました
富士フイルム プロマーケティングチームってどんな仕事?
――まず富士フイルム様の中で、具体的にどのようなお仕事をされているのか、お聞かせ下さい。
高麗氏:
現在所はデジタルカメラ事業部 戦略企画部 プロマーケティングチームという部署に所属しております。
その中でも私は営業写真市場に対して、
- GFX50SやX-H1、X-T2をどのように販売していくかの企画、
- およびGFX50Sのデモンストレーションやテスト撮影
などに関して、セールスのバックアップを行っています。
基本的には、営業マンがデモを行ったり販売していくものですが、
特にGFX50Sはお客様の業態やニーズに応じて設定をしてあげることで、
GFXの持っている最大のポテンシャルを実感して頂く事ができます。
一年前までは営業写真の担当をしておりましたので、
その経験を活かし、プロの現場に応じたアドバイザーをつとめさせて頂いています。
X-H1開発の背景
――なぜGFXとX-T2があるのにX-H1を開発されたのですか?
高麗氏:
動画市場の広がりにあわせて、「富士の画質で動画を」というお声を沢山いただき、X-T2の動画も高く評価されました。
さらに動画に向けての性能・使いやすさをアップするために開発いたしました。
――メインとしているターゲット層について教えて下さい。
高麗氏:
動画のみならず、性能・機能をプロ写真家に向けて作りこんでいます。
静止画・動画に関わらず、お仕事で使っていただく方、プロの方をメインに考えております。
よりプロユースのニーズにもお応えできるよう、
- ボディの堅牢性
- ホールディング性
- AF性能
- 動画性能
をアップしました。
営業写真分野については、
- スタジオ用カメラとして、
- GFX50Sユーザーの併用カメラとして
- ブライダルスナップのカメラとして
- 学校写真用のカメラとして
など広く考えております。
それぞれ共通して言えることは、
特にきれいで自然な人肌の再現を望まれているユーザーには、必ず満足頂け、
また、手間や時間の短縮にもつながる「相棒」としてご愛用頂けるカメラと信じております。
――他社のカメラは高画素化していますが、X-H1は2,430万画素です。何か意図はあるのでしょうか?
高麗氏:
当社の2430万画素のカメラでA1、A0サイズに伸ばしても全く問題がありません。
また4K動画は3840x2160 と800万画素相当ですので2430万画素は必要にして十分以上です。
X-H1は5120x2880画素でとらえた画像のデータから4K動画を作りだしています。
またさらなる高画素をお求めのお客様にはGFX50Sをご用意しております。
――JPEG撮って出しでも十分使えるという声が多いのですが、お聞かせ頂ける範囲でどのような設定をする必要があるか等詳しい話を聞かせて下さい。
この場は、営業写真の撮影シーンで・・という条件設定でお話しさせて頂くと、
「ネガで軟らかな色調・階調・質感を大切に撮影されていた感覚で撮影をしたい」
と思われる方は、フィルムシミュレーションの「プロネガモード」がお勧め。
「最も軟らかく滑らかな質感を再現したい」なら、
「Hi」と「Std」の選択がある「プロネガStd」です。
最近の高彩度の画像に慣れたユーザー向けには、
ややメリハリを加えた「プロネガHi」モードや、ポジの中でも人物撮影に適した「ASTIA」モードがお勧めです。
白トビ防止については、もともとXシリーズはこの部分は強い部分です。
より白トビを意識される方でしたら、
- プロネガモード
- ハイライトトーン
- ダイナミックレンジ
この3点の調整で画期的な結果が得られます。
(もともと動画用に搭載した)フィルムシミュレーション:ETERNA(エテルナ)は静止画にもお使いいただけます。
独特の落ち着いた色合い・階調は撮影バリエーションの一つに加えて頂けたらと思います。
また、最新のX RAW STUDIO(※)を使って、パソコン上でフィルムシュミレーションを変えて色の違いを見ていただければと思います。
ご希望にあわせてハイライトやシャドーの階調を硬くしたり柔らかくしたりも可能です。
(※・・・富士フイルム純正のRAW現像ソフト〔無償〕 )
――競合他社はフルサイズのミラーレスを発売していますが、フルサイズにしない理由、する必要がない理由などございましたらお聞かせ下さい。
高麗氏:
一言で言えば、APS-Cサイズのセンサーですが、35mmフルサイズに匹敵する高解像度を実現しているため、あえてボディサイズを大きく・重くする35mmフルサイズは出しておりません。
また今後も作らない予定です。
更なる解像感を求める方は、中判センサーを持つGFX50Sの5140万画素をご利用頂ければと考えております。
現行の両機種との違い
「現行のGFX、X-T2、またX-H1と3機種ありますがどれにすればいいの?」
と迷われている方も多いのではないでしょうか?
X-H1と現行の2機種との違いについて高麗氏にまとめていただきました。
GFXとの違い
- X-H1は動画に強い(GFXはハイビジョンまで)
- 操作系はGFXに近いので同時に使っても使い方に困らない
- 画素数はGFXが5140万画素に対しX-H1は2430万画素
- X-H1はボディ内手ブレ補正機能あり
X-T2との違い
- X-H1はボディ内手ブレ補正機能あり
- X-H1はより安定感のある大型グリップと堅牢性
- X-T2は小型軽量性
GFX、X-T2といい意味で差別化されていて、ユーザー様が何に重きを置くかによってご検討頂く機種も変わってきそうですね。
最高の画質を求める方は高画質でセンサーサイズも大きいGFX、より軽量化を求める方はX-T2、何でも屋さんがX-H1というところでしょうか?
GFXのサブ機というのはレンズのマウントも違いますので中々贅沢な気がします。
ただ、色づくりが同じで操作系も似ているカメラで、中判・APS-Cのシステムが組めるのは大きなメリットです。
スタジオ内ではGFX、ロケや学校写真はX-H1という使い分けができそうですね。
デモ機のご要望などございましたら、営業担当もしくはお問い合わせフォームからのお問い合わせをお待ちしております。
フジフイルム カメラ 本体 → https://728oroshi.jp/list.php?c_id=36
レンズ → https://728oroshi.jp/list.php?c_id=82-122-123-124