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【作例付き】Lumix S1/S1R 本格レビュー!

お世話になっております。オムニバスの西平でございます。
今年もこの季節がやってきました。ただいま。おかえりなさい。


この記事を執筆しているのは2019年7月、愛用のD810が登場したのが2014年7月ですから、丸5年が経ちました。
愛着もあるし、自身の業務ではほとんど困らないのですが、流石に経年のアレコレが気になってきました。いよいよ替えどきかなと考えているところに、最新のミラーレス機をお試しさせていただく機会に恵まれてしまったのです!


今回お借りした機材は、Panasonicのフルサイズミラーレス機「Lumix S1/S1R」

動画性能も素晴らしいようで、D810とGH5の2機種体制からS1Rに統合した友人もいるほど。
私は動画方面に明るくないので、スチール用途でのレポートになります。


集合写真撮影、ダンスイベント撮影、散歩スナップで試します。業務の撮影は万一に備えリカバー出来るように万全を期して挑みました。
モデルさんは「Southern Cross」さんから、Maiさん、Yukiさんにご協力いただきました。
簡単に、気に入ったところ、気がついたところを箇条書きにしてみます。


大きい、重いは悪いだけじゃない?
気に入った点


✦    一眼レフ(5DやD800系)に近いサイズ感。指が余らないのでレフ機(ミドルクラス以上)からの移行に違和感は少ない。

✦    消費電力に見合ったクラス最大級のバッテリー容量(23Wh)なので安心。レフ機っぽく使える省電力モード(=撮影時だけEVF/背面液晶がON)では500カット程度撮影して、充電レベルは半分くらい。

✦    本体と充電器はUSB-C端子からの給充電。付属の専用ACアダプターの他、Power Delivery(9V3A)に対応するモバイルバッテリーからの給電・充電もOK。充電電流が大きいのでチャージが高速。

✦    ファインダー(LVF=EVF)が高精細で美しい。最高120fps表示で遅延も気にならない。ピーカンの日中でも不自由なかった。

✦    操作系統はシンプルで分かりやすい。各部の精度構造も高く、右手親指で操作するダイヤルの感触が特に好印象だった。

✦    ロックレバーの使い勝手が素晴らしい。ロックするボタン、ダイヤルの系統を選べる。ストラップ使用時など、カメラが体に当たる事による誤作動を防止するのにとてもありがたい機能。

✦    レンズの焦点距離が画面に表示できる。ズームレンズ使用時に便利。

✦    被写体認識、瞳認識のAFが便利。小さい被写体に対する合焦精度については成熟を待ちたい。

✦    純正レンズはまだ少ないが、Lマウントアライアンスのおかげで心配は少ない。むしろ楽しみ。

✦    D810にも引けを取らないダイナミックレンジで、暗部の描写も安心出来る。

✦    コントラストAFらしからぬ素早い合焦速度。

✦    レンズ側、ボディー側で相互作用する手ブレ補正が驚くほど強力。

✦    HDMI端子がTypeA採用。GH5譲りの動画性能を裏付ける装備。


慣れ?仕様?気がついた点、リクエスト


✦    所々のレスポンスがゆったり。起動後シャッターが切れるまでは許容範囲。再生画面表示に時間がかかる。(UHS-II SDカード使用)

✦    スマホアプリの使い勝手は今ひとつ。カメラとの接続確立に時間がかかる。

✦    テザー撮影は未検証ながら、Lightroom、CaptureOneに未対応(2019年7月現在)

✦    S-RAW、M-RAWなど、低解像度のRAW設定が無い。

✦    RAW撮影時、再生画面での拡大倍率に制限がある。S1Rでのピント確認には難しい。最大倍率16倍での拡大表示にはJPEG(RAW+JPEG)での収録が必須。

✦    フラッシュ使用時、常時プレビュー(露出シュミレーション)が効かなくなる。

✦    合焦するときにプレビュー画像の明るさが揺らぐ。常時プレビューをOFFにすると回避できる。

✦    シングルショットで3ショット/秒(厳密ではない)くらいのシャッター間隔で撮ると、ブラックアウトによりファインダーはほぼ真っ暗。被写体を追いかけられない。メカ、電子シャッター問わず発生。遅めの連写モードにして回避した。

✦    シングルショットで連射する時、半押しポジションへの戻り判定が厳しいのか、シャッターが切れないことがあった。

✦    背面液晶の左側・左底面が熱くなる。炎天下での使用は未検証。

✦    省電力モードからの復帰遅い。シャッターボタン以外での復帰が出来ない(再生ボタン押して復帰&再生希望)

✦    ワンタッチ(Fnボタン押している間)で別のAFモードへの切り替え(一時利用)のが出来ない。※Fnボタン押している間だけ瞳AFが無い

✦    電池蓋、メモリーカードの扉ロック機構。開閉に動作が2回必要なので、確実な作業が出来るが素早い交換作業には不向き。

✦    FTP転送非対応。

✦    測距点の表示が見えづらい場面があった。特に、水準器の表示が測距点表示と混同してしまうことが多かった。

純正のクリップオンストロボがチープに感じた。特にホットシュー部分のデザイン構造が残念。



フラッグシップモデル DMW-FL580L


電池蓋 ロック機構



RAWをストレート現像




画像RAWをライトルームで+4EV


作例






現場の向き不向き

《おすすめな撮影》

•     写真スタジオ

•     集合写真

•     ポートレート


《不向きな撮影》

•     ライブ、ダンスなどの「暗所&動体撮影(シングルショットでの連写)」

•     AF-Cを多用する場面


静物、ポートレートなどでは素晴らしい力を発揮してくれます。
AFエリアモードの「ゾーン」は、測距点を横一列に出来るので集合写真撮影で活躍しました。

話題の被写体認識や瞳認識AFは、撮像範囲に占める被写体の割合が大きいほど精度が高まります。ハマったときは素晴らしい味方になってくれました。構図に集中出来るメリットは大きかったです。

キットにも含まれる24-105mmの標準ズームはフィールドを問わず活躍してくれます。S1Rの高画素を活かすなら、S-Lineのレンズ(70-200mmと50mm)は必須のレンズ群だと実感しました。

厳しさを感じたのは、ライティングが随時変わるステージ撮影でのAF-Cモード。AFが迷ったり、ブラックアウトが長い事によりシャッターチャンスを見送ってしまうことがありました。また、AFエリア固定のAF-Cモードで、AF-ON状態のままカメラをパンしても、遠景から近景へフォーカスが来ない場面がありました。手元のD810では問題なく出来た動きでしたのでギャップを感じた部分です。

試用期間内では実現できなかったのですが、AFについては多くの設定項目があるため、特性のカスタムで解消出来る点があるかも知れません。


ブラックアウトについては、遅めの連写モードにすることで、一眼レフに近いブラックアウト時間で撮影することが出来ました。(ちなみに、高速連写モードではブラックアウトしません)

また、当然ですがS1Rの画素数はスナップ用途ではオーバースペックです。RAW収録のサイズ選択ができれば嬉しいところ。ちなみに、S1は画素数的にはスナッパーにちょうど良いですが、上記のレスポンスはS1R同様でした。解像度由来では無いのかも知れません。

それぞれ、ファームウェア更新で解消されれば嬉しいところです。


ちょっと宣伝!
JINBEI製品もLumixに対応します!


年内に発売予定のJINBEI TR-Q7というJINBEI製フラッシュ用リモコンは、Canon、Nikon、Sony、Fujifilm、Olympus、Panasonicに対応します。

各メーカー用に別のリモコンがあるわけではありません。インテグレーテッドホットシューを採用し「1台で上記メーカー全てに対応」します。

リモコン本体で「今接続してるカメラメーカーは〇〇よ」という設定をするだけでOK。今後登場する多くのJINBEIハイエンドストロボとの連携が可能になります。(Sonyのみ変換用の下駄が必要)


また、同様のインテグレーテッドホットシューを装備した丸形ヘッドのクリップオンストロボ「HD-2」も開発中。スタジオ用ストロボさながらのオーム型の発光管を装備して、年内に国内発売予定です。


JINBEI TR-Q7


JINBEI HD-2


個人的な課題は操作レスポンス。
どこまでレフ機に迫れるか


各社のフルサイズミラーレス機が土俵に揃い始めた今、S1/S1Rはどのように戦っていくんだろうと思っていました。

メーカーの方のインタビューなどを漁っていると、Sシリーズは「他社フルサイズミラーレス機とはターゲットが異なり、プロフェッショナルの利用を想定している」とのこと。

堅牢性、機能性、画質を追求したラインナップ。実際、本件でやり取りさせていただいた担当者さんからも、性能や画質に関する自信を聞いていました。


かなり強気だなと思っていたのですが、カメラを触ると、そのポテンシャルは十分に感じました。先行するミラーレス機を追い抜こうと言わんばかりに、ユーザーの声を聞いてくださいます。

メーカーの意気込みを感じると同時に、他社フルサイズミラーレス機だけではなく、ベンチマークは「中・高級レフ機」では無いかと思ってしまいました。それは、その「ボディサイズ」一つとって見ても説得力はあると思います。


レフ機を手放せない、乗り換えられない私の場合「自分の撮影案件、撮影スタイルに対応できるか?」という視点が外せません。つまり、レフ機からの移行で課題になるのは、アウトプットの質だけではなく、操作性や信頼性の面が大きいと思います。

移行前の不安、移行後のギャップを感じさせる要素を、可能な限り排除することの必要性も感じました。


移行ハードルの一つに、レンズ、周辺機器、システムへの対応状況があります。Leica、Sigmaとのレンズマウントアライアンスは広く知られていると思いますが、「Lumixエコシステム」として、各照明機材メーカーを含むサードパーティーとの協力関係も構築していくようですので、展望は期待出来ます。


これらの協業によって周辺機器開発に注ぐリソースを軽減出来るとするなら、カメラを磨き上げ、成熟させる事に集中しやすくなるはず。レフ機からの乗り換え需要をごっそり持っていってしまう未来も、ありそうな予感がしています。


寄稿: 合同会社OMNIVAS 西平千尋

寄稿: 合同会社OMNIVAS 西平千尋

[ウェブサイト] http://omnivas.jp/

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